超常現象ドラマは多々あれど、ジェフリー・ジェイコブ・エイブラムが総指揮だけあって、展開も映像も伏線も存分に魅せてくれました!
主流・先端・境界科学で現象解明し、事件解決へと進むストーリー展開はモヤモヤ感を残しません。
エイブラムが携わった映画スタートレックやドラマXファイルなどのオマージュも盛り込まれた細部に至るまで楽しませてくれます。
それでは、あらすじや感想をご紹介しますね!
フリンジとは?
世界各地で発生している不可解な現象を伴う事件「パターン」を捜査するFBIの「フリンジチーム」。フリンジサイエンスの科学者ウォルター・ビショップ、その息子ピーターと共にFBI捜査官オリビアが怪奇現象の解明、事件を解決へと導き、それぞれの事件解明を進めていく度にマッシブ・ダイナミック社の技術や人物!
ウォルターとの関連性が深まるなか、非主流科学(フリンジサイエンス)を用いて真実に迫る異色のSFサスペンスドラマになります♪
フリンジの作品概要
初回放送日:2008年9月9日-2009年5月12日
エピソード数:21話(字幕・吹き替え版○)
ジャンル:サスペンス
製作総指揮・脚本・監督:J・J・エイブラムス ブライアン・バーク アレックス・カーツマン 他
フリンジの予告動画
主な登場人物(キャスト)/解説
・オリビア・ダナム/演:アナ・トーヴ/日本語吹き替え:宮島依里
FBI捜査官。捜査能力の高さを買われ、「フリンジチーム」に加わる。
数字に関しての記憶は人並み外れた高さ。常時冷静沈着であるが、情に厚い面を持ち合わせ、事件解決のためには自己犠牲も厭わず無茶をする。
・ウォルター・ビショップ/演:ジョン・ノーブル/日本語吹き替え:菅生隆之
アインシュタインの後継者と呼ばれるほどの天才科学者。フリンジサイエンス(非主流科学)分野で政府研究者であったが、実験中の死亡事故で人体実験の疑いを持たれ、無罪にはなったが精神病棟に入院させられる。捜査協力をすることになるが記憶の欠落や特定の食べ物への執着、情緒不安定になることが多々ある。
・ピーター・ビショップ/演:ジョシュア・ジャクソン/日本語吹き替え:中谷一博
ウォルターの一人息子。逮捕歴7回。IQ190の頭脳の持ち主。家庭を放ったらかして研究に没頭するウォルターとは確執があり関わりを避けていた。捜査協力をオリビアに依頼されウォルターの後見人となり、フリンジチームを手伝う事になる。ウォルターの発する専門用語を、捜査官達にわかりやすく説明するなど、ウォルターのサポートをしてくれる重要不可欠な存在。
・フィリップ・ブロイルズ/演:ランス・レディック/日本語吹き替え:山野井仁
オリビアの元上司で現在は国土安全保障省捜査官。フリンジ本部の責任者であり、またオリビアの上司となる。かつての出来事でオリビアとの確執があったが、フリンジチームへ引抜くなど捜査の協力をするようになる。
・ニーナ・シャープ/演:ブレア・ブラウン/日本語吹き替え:宮寺智子
マッシブ・ダイナミック社の最高執行責任者であり科学技術部門を率いる。右腕の義手はマッシブ・ダイナミック社の技術によるもの。腕は癌で切断することになったと言われている。ウォルターとプロイルズとは旧知の仲。ピーターの秘密について知りつつ隠し続けている。
・ウィリアム・ベル/演:レナード・ニモイ/日本語吹き替え:小川真司
マッシブ・ダイナミック社の創設者であり先端科学と境界科学どちらとも優れた科学者。数年間は全く姿を現していない。かつてウォルターと同じラボで働いており、子供達で実験を行っていた。
フリンジのあらすじ・ネタバレ・結末
※この先フリンジのあらすじとネタバレ、結末になります。
ドイツ発の国際線627便は激しい雷雨の中、大きな揺れを感じながらフライトを続けていました。
シートベルトサインが点灯し、着席を指示するアナウンスが流れると、不安に感じる乗客も慣れた様子の乗客もシートベルトを締め始めます。揺れと稲妻に不安を感じたのか、1人の男性が大量の汗をかき、呼吸も荒くなりはじめ苦しさのあまり席を立つのでした。
ふらつく彼の肩に手を掛けたキャビンアテンダントは、振り向いた男性の姿を見て悲鳴を上げます。まるでゾンビのような容姿になってしまった男性が粘液のようなものを吐き出すと、周囲にいた人々が一斉に苦しみ出し、機内はパニックに。
音信不通となったままアメリカ上空に到達した627便は、自動操縦により無事ボストンの空港に着陸しましたが、窓ガラスに付着した液体と変色した人体が外から確認され、FBIやCIA、安全保障省の面々が緊急事態により収集された空港。
情報伝達の役割を果たすためFBI捜査官オリビア・ダナムもその中にいました。
レベル4の防護服を身にまとった各捜査官達が機内で目にしたものは、まるで体が腐り溶け落ちているかのような乗員乗客の遺体でした。
バイオテロの可能性が高かったものの、犯行声明もなく全員が情報集めに駆け回る中、連絡役として職務に就いているオリビアにも捜査指示が責任者のブロイルズから出され、相棒スコットと共に倉庫街へ向かうのでした。
片っ端から倉庫を確認していくと、飛行機で見たあの遺体に似た姿の動物と実験機器を発見します。向かいの倉庫が開き逃げ出した男性を追うのですが、逃走する男が仕掛けていた爆弾によりスコットは爆破の直撃を受け、オリビアは爆風で吹き飛ばされてしまいます。
少しの怪我で済んだオリビア、病院で意識を取り戻します。一命を取り留めたスコットでしたが、汚染化合物による被害が凄まじく、回復は見込めない状態でした。
捜査に戻るも、相棒であり密かに交際をしている恋人を救いたい一心のオリビアは、事件に使用された物質の調査と、彼の命を救えるのではないかと思われる天才科学者ウォルター博士の情報に辿り着きます。
アインシュタインの後継者と言われ、政府の研究に関わっていた博士ですが、過去に人体実験の疑いで逮捕され、無罪にはなったものの精神病院施設に17年も入っており、面会できるのは肉親のみと協力要請は難しいと思われました。
博士の息子ピーターに面会立会いを受け入れてもらえず、オリビアはピーターの弱みを利用し脅すような形で協力を得るのでした。
面会したウォルター博士は身体の震えと視線が泳いでいる状況で、話の最中に突拍子もないことを言う状況ではあったものの、かつて自分が研究していたものが使用されたというのです。研究を知っていたのは助手とある科学者のみであり、実際に症状を見なければ救えるかはっきりと言えないと言い出します。
仮に施設を出るにしても後見人が必要なウォルター。肉親でなければ後見人は許されず、激怒するピーターからまたしても脅す形で協力を得るのでした。
スコットの皮膚組織サンプルを採ったのち、調査は自分のラボでなければならないと主張するのですが、すでに閉鎖されていると聞き癇癪を起こしてしまいます。スコットを救える残りの時間がごくわずかであることを知り、なんとかラボの使用許可を取り付けます。
ウォルターが不安定であるため、研究を知るもう1人の科学者からも情報提供を得たいオリビアですが、相手は世界的大企業マッシブ・ダイナミック社の創設者で直ぐの面会はできず、今はウォルターに賭けるしかないのでした。しかし、汚染物質の正確な情報がなければ症状を治す方法は導き出せず、犯人の手掛かりは一切無い状況。
万事休すの事態でウォルターは「彼の記憶から犯人の顔を見ればいい」と突拍子もない話をし始めます。誰しも呆気にとられる話でしたが可能にする機器がすでに存在するのでした。
使用者の命の保証はできない装置でしたが、オリビアは即決します。ピーターの手助けもあって犯人逮捕後に無事治療を受けることができたスコットは、会話ができるほど回復へと向かいます。
愛しい人の命が救われ、以前と同じ生活に戻れると喜ぶオリビアでしたが、今回の時件にはスコットが関わっていたことがわかり、病院から逃げ出す彼を追うのです。
スコットの運転する車は事故を起こし、追いついたオリビアの腕の中で彼は息を引き取るのでした。
裏切りを許せない気持ちと、愛している気持ちどちらも抱えたまま、オリビアはフリンジチームへの参加を決め、ウォルターも協力をすることに同意してくれたのでした。また、後見人としてピーターも留まることを承知してくれたのです。
次々に起こる不可思議な事件は想像を絶するものばかり昼夜問わず起こります。奇想天外な事件ではあったものの科学的にも説明ができる事件であったため、ピーターは未だにフリンジサイエンス研究に没頭するウォルターを理解できず父の子守役に不平をこぼす中、
ある工事現場で原因不明の爆発が発生し、謎シリンダーが現れます。シリンダー調査を依頼されるウォルター達。過去にも発見されているシリンダーの資料写真に全く歳をとっていない同一人物がの姿が。
大きな事件が起こるたび事件現場に現れ、ただ見ているだけの男性は通称「観察者」、ウォルターはその人物とシリンダーについて何か知っている様子を見せますが話そうとせず、フリンジチームには内密にシリンダーを隠してしまいます。それによりピーターが拉致される事態となり、拉致された先で観察者と不思議な対面をします。
これは今までの事件とは別次元の「科学では説明がつかない何か」だとIQ190のピーターは瞬時に判断できたのです。無事に戻れたピーターは、ウォルターの研究の必要性を感じ、自分も調査に協力をすると伝えるのでした。
相変わらずウォルターの扱いに手を焼くものの、豊富な経験と知識で調査に大きく貢献するピーター。少しずつウォルターとのわだかまりも薄れていきます。
様々な怪奇事件が発生する度、ウォルターの過去の研究が盗まれ悪用されていると気付きます。事前に防ぎたくとも記憶が欠落しているために、何ヶ所に何の研究資料を隠したか思い出せないウォルターは、自責の念にかられていきます。
また事件に絡むパターンの先には、フリンジチームに技術協力をするマッシブ・ダイナミック社の技術やスタッフが浮かび上がる頻度が高く、関与疑惑が深まっていくのです。そして、ある日突然にオリビアは拉致され、骨髄を抜かれてしまいます。実行犯はFBIの人間であり、その先には世界的にバイオ兵器売買していた犯罪者が。
ドイツの獄中にいるその犯罪者ジョーンズが、どのような形でオリビア拉致や怪奇事件を起こしているのか不明のまま、ウォルターが過去に作った瞬間移動装置を使い警備の硬い獄中から一瞬にして姿を消します。
以後もターゲットにされるオリビアでしたが、ジョーンズ達の狙いは命ではなく、彼女の中に眠る能力を覚醒させる事だったのです。
その能力とはウィリアムの人体実験を受けた子供にのみ覚醒の可能性があり、自分自身が幼い頃に人体実験をされたと知るオリビア。なんとウォルターも実験に携わっていたのです。ウィリアムの実験とは言え罪悪感から詳細を打ち明けられず、ただただ詫びるしかできないウォルターなのでした。
その後、同じ人体実験を受けた者達が力の制御ができなくなり、周囲を巻き込む事件を引き起こし始めます。
バイオテロの目的や組織、何者かによって書かれたZFTという名の著書、それに従う組織、少しずつ情報が集まりだした頃、マッシブ・ダイナミック社のニーナが何者かに襲撃され、義手の中に隠していた強力なエネルギー電池が奪われてしまいます。襲ったのは姿を消していたジョーンズ。
現在の世界とパラレルワールドを行き来する穴を作ろうと企んでいたのです。異世界との行き来を起こせば自然バランスが崩れ、いずれは世界崩壊に繋がり、単なる怪奇事件では済まないのでした。
今までの事件全てはジョーンズらによるものであり、崇拝するウィリアム・ベルに認めてもらいたいがために起こしたのだとニーナは推測します。異空間との穴を開ける事は阻止できなかったものの、ジョーンズが向こう側に行く事を阻止できたオリビアは、予想外の形でウィリアムとの面会を果たします。
しかし、直後に車の事故で死の淵をさまよったオリビアはウィリアムとどこで何を話したか思い出せず、新たな脅威「異世界からの侵入者」に命を狙われはじめます。
頻繁に観察者の出現も確認され、自然バランスの異変によって、世界崩壊の予兆が始まります。
同じ質量の異世界の建物と現世界の建物が同時に存在できなくなり、消え去ってしまったり融合され、中にいた人々は衝撃に耐えられず亡くなってしまうのです。
どんな先端科学を駆使しても防ぐ手段は見つからず、不規則な発生のため避難誘導すらできない事態を打開するため、異世界の物を見分ける力を覚醒させるべく、また実験を受けるオリビア。
崩壊の起きる建物を見つけ、被害者を1人も出さずに済み安堵したのも束の間、異世界特有の光がピーターから出ているのです。過去にウォルターが起こした事が、この一連の現象を引き起こしているのだと知るのでした。
フリンジ(シーズン1)を見た感想
こんなドラマを待っていました!
始めに怪奇事件ありきで各話スタートするのですが、怪奇な現象の要因が謎のまま犯人逮捕までを描く作品が多い中、ウォルターとピーターアストリッド捜査官達がその怪奇現象を科学で解明してくれるのがスッキリ爽快!
各俳優陣の表情も魅せてくれますが、何と言ってもウォルターの寂しげに訴える瞳・表情と、嬉しさを隠しきれずにはしゃぐ子供のような笑みがたまりません!!奇妙な行動に走る姿もどこか可愛らしく見えます。
毎度異なる怪奇現象を解明してくれるのでボリュームもテンポの良さも抜群で満足度も高い!シーズン1を見終わる頃にはFBI捜査モノじゃなかったんだ!描きたかったのはそっちか!!と驚かされました。
言うなればシーズン1はプロローグですね。シーズン2では真相が明らかになりシーズン3へと続いていくので、是非、最後まで天才科学者達とフリンジチームの活躍を見届けてほしいです!